稲田朋美防衛相は28日、南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報問題での責任を取り、安倍晋三首相に辞表を提出、受理された。首相の「秘蔵っ子」として日の当たる道を歩きながら期待を裏切り続け、事実上の更迭だ。会見では、辞任の意向を「かねてより」首相に相談していたと発言。首相の国会答弁との食い違いも生んだ。日報問題での隠蔽(いんぺい)関与の有無は、玉虫色の結論。疑問は解明されず、最後までお騒がせのまま、防衛省を去った。

 安倍首相は、「女性活躍」を政権の旗印にしており女性の閣僚への登用を積極的に行ってきた。だが、かばい続けてきた今回の稲田氏辞任ばかりでなく、過去にも小渕優子経産相、松島みどり法相の女性大臣2人の同日ダブル辞任、森友&加計学園問題では野党から昭恵夫人の国会招致を求められるなど“女難”に見舞われている一面もある。

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 (1)小渕優子衆院議員(43) 不明瞭な政治資金支出問題で14年10月、経産相を辞任。

 (2)松島みどり衆院議員(61) 選挙区内でのうちわ配布問題で、小渕氏と同日に法相を辞任。

 (3)昭恵夫人(55) 今年に入り、森友学園が建設予定だった小学校で一時、名誉校長に就任。建設予定地をめぐる国有地売却問題に関し、首相夫妻の関与が追及される一因になった。加計学園問題でも、夫人がフェイスブックに投稿した首相と学園理事長らの親密そうな写真が疑惑深める要因に。

 (4)豊田真由子衆院議員(42) 政策秘書に対するパワハラ問題が週刊誌に報じられ、離党届提出。都議選の自民敗北に大きな影響与える。

 (5)稲田前防衛相(58) 日報データ問題や国会答弁、都議選応援で失言。首相が追い込まれる「決定打」となる。