東京都議会の臨時会が5日に開かれ、豊洲市場の追加安全対策工事費などを盛り込んだ補正予算案が「都民ファーストの会」などの賛成多数で可決した。

 小池氏が率いる都民ファはこの日も知事方針を絶賛した。 討論に立った荒木千陽都議は「小池知事が誕生し、豊洲市場開場の延期を決断したことが市場関係者、都民の安全を守ることにつながった」と熱弁。盛り土がなかった地下空間にコンクリートを敷く追加安全対策工事については「不安払拭(ふっしょく)を図るため、この事業が安心安全につながると確信している」と、全幅の信頼を寄せた。

 都民ファは8月30日の臨時会初日でも知事方針に対し、会派初質問に立った木村基成都議が「高く評価」を連発し、野党からは議会としてのチェック機能が果たせるのかとの疑問の声が上がっていた。

 小池氏は議会後、知事与党である都民ファから臨時会を通じて「高く評価」されていたことを記者団に問われ「今日は『高く評価する』という言葉はなかった。メディアとして確認した方がよろしいかと思います」と反論した。

 予算案には賛成したものの、小池氏の都政運営に異を唱える自民党は「市場問題プロジェクトチーム(PT)などは公開で行ったが、肝心の決定は顧問が決めてしまうという、知事が一丁目一番地と言う情報公開とはほど遠い」と批判した。

 顧問とは市場PTの座長も務めた小島敏郎氏。「私的な行動」としながら築地市場を訪れ、都議会にも報告なく市場関係者に知事方針の説得に当たっていたことが問題視されている。都市場当局も4日の経済・港湾委員会で小島氏の行動内容を「詳しく把握していない」とした。

 自民の秋田一郎幹事長は小島氏の行動について「議会に話してもらわないと何も始まらない。政策に関わっているんだから正々堂々と議会で話してほしい」と語った。

 一方、小池氏は自民の討論中、演説者にヤジを飛ばす場面も。記者団に内容を問われ「応援のエールです」とけむに巻いた。