第48回衆院選は10日、公示された。

 安倍晋三首相は10日、20年東京五輪の野球、ソフトボール会場に選ばれた福島県営あづま球場近くの水田前で第一声を行った。東日本大震災後の国政選挙遊説を5回連続で福島から始めている首相は「民主党政権下、復興が進まず、地域が苦しむ中、1日も早く政権を奪還しなければというのが政権奪還の原点だった。原点を忘れてはならない」とあいさつ。「厳しい戦いだが、お力を結集していただきたい」と支持を訴えた。

 会場は福島駅から約12キロも離れ、集まったのは自民党支持者ら約300人。最近の街頭演説で見られる激しいヤジや「安倍ヤメロ」のプラカードもない、平穏な第一声となった。首相は「自民党も野党時代は人気がなかったが、党名を変えたり、イメージだけを売ったり、解散したり、どっかとくっついたりはしなかった」と他党を批判。「未来を切り開くのはブーム、スローガンではない。政策を愚直に訴えていく」と声を上げた。

 ◆首相演説日程の公表再開 自民党は安倍晋三首相(党総裁)の衆院選の街頭演説日程について、公示日の10日分から党のホームページなどで事前公表を再開した。11日は静岡、愛知両県の計4カ所を回る。党関係者は「幅広く聴衆を集めるには、事前告知が必要だと判断した」と説明している。