豊洲市場移転問題で築地市場業者が、20年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会に対し、築地跡地に東京五輪の輸送拠点となる駐車場を造らないよう要望書を提出することが6日、分かった。駐車場整備の期限があり、それが豊洲の土壌汚染問題の議論を深める上でネックになっているとし、築地以外の場所に計画を変更するよう求める。

 東京都はこの日、築地市場の業界団体と話し合う新市場建設協議会を都内で開き、豊洲市場への移転時期を来年10月中旬と提案し、各団体が了承した。一両日中に各団体の意見を集約し、具体的な日付を決め、10日に再度開催する協議会で正式決定する方針。

 各団体の長は意見集約をした上でと説明したが、移転反対の「築地女将さん会」の山口タイ会長は、「集約などされていない」と反論。近日中に仲卸業者で構成される組合「東卸」で全組合員投票を行うよう署名を集める考えを明かした。組織委への要望書について山口氏は「我々は築地で営業している。そこを『五輪の駐車場を造るから』という理由でどけというのはつらい」と述べた。