森田健作千葉県知事が、県産農産物や観光のトップセールスのために訪れているタイで、「サイン攻め」にあうひと幕があった。

 タイでは、俳優時代の代表作「おれは男だ!」などのドラマを通じ、森田氏のファンが多い。故プミポン国王の次女シリントン王女も熱烈ファンで知られ、ヒット曲の「さらば涙と言おう」や「友達よ泣くんじゃない」は、今でもカラオケの人気曲上位を占めているという。

 知事としてのタイ訪問だが、作品のポスターやDVDを手にした住民にサインを求められると、「アイドル時代に戻った感じ」と苦笑い。一方で、森田氏は「歌は世界の共通語という言葉を、あらためて実感する。私にとって、今回のトップセールスも含め、文化的なことすべてが両輪で動くものだと思う」と述べた。

 「本業」のトップセールスには、各分野の民間事業者ら約100人の「ミッション団」も同行。バンコクのほか、前回訪問時に爆弾テロの影響で足を運べなかった主要都市のチェンマイも初めて訪問。7日のバンコクでのイベントでは、SNSによる情報発信を狙い、有名ブロガーなどを招いたPRにも力を入れた。

 森田氏は「千葉には、タイにはない果物や農産物がたくさんある」と述べ、発信に力を入れているイチゴのおいしさなどを力説。「観光はもちろんだが、何と言っても農水産物の販路拡大を目指したい。千葉県には国際空港もある。アジアや世界に羽ばたく一歩にしていく」と語った。