東京・銀座にある公立の泰明小学校が今年4月入学の新1年生から、イタリアの高級ブランド「アルマーニ」がデザインした「標準服」と呼ばれる制服を導入する方針を決め、波紋を広げている。

 その問題が8日の衆院予算委員会で取りあげられ、希望の党の寺田学議員は、標準服について「全部そろえると男児は8万円、女児は8万5000円」と指摘した。

 学生時代から、老舗の紳士服店でスーツを仕立てるこだわりを持つ麻生太郎財務相は、この金額についての感想を求められ、「まあ、高けえちゃ、高いでしょう。あなたの背広がいくらか知らないが、8万円は高いものだと思う」と述べ、公立小学校の標準服の観点からは高額との見方を示した。

 その上で、泰明小学校について、自身が自民党の文教部会長時代、児童数が少なかった小学校の統合に当たった経験を持ち出し、「(泰明小を)つぶそうとしたが、銀座のすし店のオヤジから何から『おれの母校だ』とえらい勢いで言われ、これでは銀座を歩けないと思った。えらい伝統のある学校だと思った」との認識を示した。

 文科省を所管する林芳正文科相は、問題が波紋を広げていることを踏まえて「制服を決める過程で、保護者がステークホルダーと話をされて決めていればな、という印象を持った」と指摘した。