東京・銀座にある中央区立泰明(たいめい)小学校が、4月入学の新1年生分からイタリアの高級ブランド「アルマーニ」デザインの標準服の導入を決め、保護者らから苦情が寄せられている問題で、同校の和田利次校長が9日、都内で記者会見を開いた。

 会見の主な一問一答は、以下の通り。

 -アルマーニとの交渉は3年にわたったというが、どのような交渉だったのか?

 和田校長 価格の話し合いは、ほとんどなかった。現行の標準服の価格をお見せして「あまり高くない方がいい」とは話した。実際に価格が示されたときは「正直高いな」とは思ったが、値下げの交渉などはしなかった。

 -その理由は?

 和田校長 アルマーニがデザインしたということ。素材はこれまでよりはるかに良いものを使っていて、手触り、色合いも良く、感覚的に「これくらいのものなのかな」と感じた。

 -この値段だと、購入が難しい家庭も出てくるのでは

 和田校長 個別に相談しながら対応していきたい。

 -それでも導入しなければいけない理由は?

 和田校長 高いとは思うが、銀座の街にある世界的なブランドがデザインしたもの。理解いただきたい。

 -現状、経済的な事情などで保護者から苦情が寄せられているが?

 和田校長 価格が高いという苦情は聞いている。出来る範囲で個別に相談したい。それ以外の苦情は届いていない。

 -保護者など、周りの人との合意形成などは、どう進めてきたのか?

 和田校長 学校長としての思いで進めてきた。今考えると反省している。関係する方々に、しっかりと説明をしてきたらよかったと思う。

 -校長の思いを押しつけたのでは?

 和田校長 今も、理解していただけると思っている。

 -具体的に、どのように説明していくのか? また、理解を得られなかった場合は?

 和田校長 新1年生の保護者の方々には説明して、既に採寸などにも行ってもらっている。3月には、子どもたちに「なぜこうなったのか」を説明する。これまでも説明はしてきたが、「もう1度、保護者会などをやってほしい」という声が出たら、やる。ただ、この服でやっていくという思いは変わらない。

 -現行の標準服は、買うことができるのか?

 和田校長 4月に2年生になる学年より上は、買える。それ以降の新1年生はずっとアルマーニの標準服になる。

 -それでは統一性が無いのではないか。2年生以上を対象にしなかった理由は?

 和田校長 新しい標準服の生産が間に合わない。現行の標準服も、50年以上の歴史がある、良いもの。またPTAの方々との話で、いきなり全学年で変えるのは無理だとなった。順次変えていくほうが、無理がない。