立憲民主党の枝野幸男代表は13日、報道陣の取材に、安倍晋三首相が今国会に提出予定の働き方改革関連法案に含まれる「裁量労働制」をめぐる過去の自身の発言の撤回に追い込まれたことを、猛烈に批判した。

 「この問題に限らず、こんなにいいかげんことを言っているのが、安倍政権の典型的な姿だ」と指摘した上で、「ああ、またかという気持ちが半分、しかし過労死につながるかもしれないことで、こういうことをされては困るという気持ちが半分」と述べた。

 首相の発言撤回は、これまで首相答弁の根拠になっていた、厚生労働省のデータに疑いが生じため。厚労省側は精査するとしている。野党はこれまで、裁量労働制が働き過ぎにつながるとして反対しており、データの数字についても不自然な点があるとして、先週から首相答弁の撤回を求めていたが、首相は応じていなかった。

 枝野氏はこれに先立ち予算委員会で質問に立ち、これまでの質疑をさばいた委員長にも猛抗議。「委員長の目の前で、間違った事実に基づき質疑が行われてきた。それが撤回され、どういう認識か」とかみついた。委員長は、「このような結果を遺憾に思う」と応じた。

 一方、枝野氏は予算委で、森友学園の国有地売却をめぐる佐川宣寿国税庁の発言についても、麻生太郎財務相をただしたが、麻生氏はのらりくらりの発言でかわすばかり。枝野氏は「まともに答えないということが(第2次安倍政権発足からの)5年で分かっている。まともに答えていないことが、国民に伝わればいいし、そのことは国民に伝わったと思う」と述べた。

 野党が求める佐川氏の証人喚問要求も、与党側は拒否する構えだが、枝野氏は「国会の中以上に、国民の皆さんが佐川氏が説明しないのはおかしいと思っているという、世論調査も出ている。(政府側の姿勢を)十分に知ってもらうという、一定の役割は果たせたのではないか」と、皮肉まじりに述べた。