将棋界初の「中学生六段」に昇段した藤井聡太六段(15)が1日、大阪市の関西将棋会館で指された第31期竜王戦5組ランキング戦で阿部隆八段(50)を127手で破り、13連勝を飾った。公式戦通算は68勝11敗。次戦は8日、第68期王将戦1次予選2回戦(関西将棋会館)で師匠の杉本昌隆七段(49)と公式戦初対局する。

 対局後、藤井は「難しい将棋だった。簡単ではなかった」と振り返った。中盤からリードを広げ、持ち前の終盤力で相手を追いつめた。

 阿部は「ずいぶん苦しかった。ずっと苦しい時間帯ばかりで、いいところが1つもなかった。完敗です」と苦笑いした。

 次戦は1週間後、小学4年で弟子入りした師匠と公式戦で初めて対局する。「すごく楽しみです。いままで練習で教えていただいたときとは違う気持ちで指せるかなと思います」と声を弾ませた。

 将棋界では、公式戦で弟子が師匠に勝つことを「恩返し」という。藤井の恩返しか、師匠が意地を見せるか。杉本は「公式戦での対局は弟子の成長を実感できひとときになるはず」と話している。