将棋の最年少プロ、藤井聡太六段(15)が25日、名古屋市などで行われた「第15回詰将棋解答選手権チャンピオン戦」に優勝し、史上初の4連覇を成し遂げた。藤井は10問全問正解で100点満点。小学6年(当時二段)だった15年の大会初優勝以降のV4。実戦の終盤の力に直結する詰め将棋でも、金字塔を打ち立てた。類いまれなる読みの速さに、関係者は「モンスター級」と絶賛した。

 今回のチャンピオン戦は10問出題された。午前11時10分から90分の第1ラウンド、午後2時から90分の第2ラウンドで、それぞれ5題ずつを解いた。第1ラウンドの問題は順に11手、13手、21手、29手、37手詰め。第2ラウンドは11手、15手、19手、21手、37手詰め。最後の問題まで行くに従い、手順を考えさせられる。時間をどれだけ残しておくかが重要になる。第1ラウンドの37手詰めは、藤井だけが正解。5問解くのに55分間。それに比べ、第2ラウンド(藤井を含め全正解者3人)では90分を使い切った。主催者は「見直さなければいけない場所が多い」と振り返った。

 東京会場で参加した瀬川晶司(しょうじ)五段は、「10問目は、正解の筋とは別に変化していく手順が多かった。時間を使っていたら、時間切れになってしまった」と話した。10問目の棋譜は以下の通り。

 【解答】<先手>5六金<後手>同玉<先手>6七銀<後手>4六玉<先手>5五銀<後手>同玉<先手>6六銀<後手>4四玉<先手>3四成桂<後手>同玉<先手>3七飛<後手>同角不成<先手>1六馬<後手>3五玉<先手>2五馬<後手>4四玉<先手>5六桂<後手>5三玉<先手>2六馬<後手>同角不成<先手>6四金<後手>6二玉<先手>8二飛成<後手>7二桂合<先手>7三金<後手>5三玉<先手>5二銀成<後手>同玉<先手>7二龍<後手>6二歩合<先手>6四桂打<後手>5一玉<先手>6二龍<後手>同角<先手>5二歩<後手>6一玉<先手>7二金まで37手詰め。

 ◆詰め将棋 王手の連続で、玉が詰むように作ってある問題のこと。問題に正解するには、玉を取る攻め手側は最短手順で、持ち駒が全てなくなるように玉を詰まさないといけない。玉側は残りの駒全部を守りに使うことができ、かつ最長手順で逃げなければならない。3~9手で詰むのが初級者向けの問題。20手前後になると難問で、上級者向けといわれている。