安倍晋三首相は28日の参院予算委員会で、森友学園をめぐる財務省の文書改ざん問題の責任を取って内閣総辞職するよう求める野党の攻撃を、「責任をどう果たすかは、私の中で判断することだ」と突っぱねた。

 佐川宣寿前国税庁長官への証人喚問から一夜明け、野党は一斉に首相の責任に言及。自由党の山本太郎氏は、「(昨年10月の)総選挙の前にあった国会は、偽物の文書でやりとりが行われた。でたらめな国会運営の先に(自民党が勝利した)衆院選がある」とし、衆院選は無効との認識を示した。「一刻も早く責任を取り、辞めていただきたい。真相究明や再発防止は、次のリーダーのお仕事だ」と批判された首相だが、昨年の衆院選の正当性を強調した上で、「私の使命は衆院選で訴えた公約を実行することだ。行政の最終的な責任が私にあるのは事実だが、なぜこのような問題が起きたか徹底的に明らかにし、責任を果たさなければならない」と述べた。

 佐川氏が証人喚問で、核心部分は証言拒否を繰り返す一方、首相夫妻や官邸の関与だけは明確に否定したこともあってか、首相は「私や妻が国有地の払い下げや学校の認可には一切関わっていない」とあらためて主張。「後は、国民の皆さんがご判断いただくことだ」との認識も示し、山本氏らの挑発的な質問にも激高せず、低姿勢で反論した。

 一方、財務省の太田充理財局長は文書改ざんをめぐる内部調査が、難航していることを示唆。指示系統や構図が絞り切れていないと明かした。