東京都の小池百合子知事(65)は30日、都庁で会見を行い、10月11日に開場する豊洲市場の観光拠点「千客万来施設」の整備について「担当のものが、事業者の方と具体的な話をしているところ」と説明した。

 事業実施の確約や、具体的な時期については明言を避けた。一連の問題については、都の取り組みに進展が見られないとして、地元の江東区議会などが反発している。

 同施設は、民間事業者による飲食店などを備えた市場内の「にぎわい拠点」として計画されている。地元の江東区は、築地からの移転受け入れ条件として同事業の確定を強く要求。昨年末には、17年度中に見通しを示すように都に求めていた。

 報道陣から交渉の状況を問われた小池氏は「誠意を持ってコミュニケーションを図っているところ」。明日(31日)が休日のため、この日が実質年度の最終日となったが、「当方としても努力を積み重ねてきた。この後どうなるかは、その時に考えるべき。今ここで申し上げることではない」と話すにとどまった。

 小池氏は、昨日(29日)の本会議で可決された2018年度予算における主な事業についても紹介。予算については「よりメリハリを利かせて、都民ファーストを徹底した。成立して大変うれしい」と述べた。

 一方、「残念ながら(予算案に)ご賛同頂けなかった会派もある。全ての予算を否定する行為は、大変重いということだけ、一つ言っておきたい」と、41年ぶりに一般会計に反対した自民党をけん制した。