安倍晋三首相は11日の衆院予算委員会で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画をめぐり、学部が設置された愛媛県の職員が作った「備忘録」に、首相と学園の加計孝太郎理事長、下村博文元文科相が会食で、計画について話したようなことを示唆する内容が含まれていたことについて、事実関係を問われ、この内容を否定した。「私と加計氏、下村氏の3人で会食したことはない」と述べた。

 加計理事長からの働きかけの有無について「加計氏は学生時代からの友人だが、私の地位を利用して何かを成し遂げようとしたことはこの40年間、何もない。相談も依頼もなく、だからここまで友人関係を続けてこられた」と述べた。

 獣医学部新設計画に関しては「常に新しいことに挑戦したいとは述べていたが、学部をつくるなど具体的な話はしていない」と述べ、加計氏からの働きかけはないと、あらためて否定した。

 首相は昨年の国会答弁で、17年1月20日まで学園の選定を知らなかったと述べた。愛媛県職員が作成した文書の作成は15年4月で、文書の内容が事実なら、首相の「虚偽答弁」の疑いも浮上する。

 質問した立憲民主党の川内博史氏は「文書の内容が事実なら、政府の中で首相だけが17年1月20日まで知らなかったことになるが、それはおかしい」と指摘。「備忘録」に、一連の発言の主として記された、当時の首相秘書官、柳瀬唯夫経済産業審議官の証人喚問を求めた。