政府は29日付で18年春の叙勲受章者を発表し、映画監督の北野武(ビートたけし=71)が旭日小綬章を受章した。

 ほかに将棋棋士の加藤一二三さん(78)、作詞家の阿木燿子さん(72)らも受章。別枠の外国人叙勲では、ノーベル文学賞を受賞した長崎県出身の英国人作家カズオ・イシグロさん(63)に旭日重光章が贈られた。

 北野監督は、所属事務所を通じ「身に余る光栄。この受章を糧に、より芸道に磨きをかけ、ノーベル賞を目指します」とコメントした。映画「アウトレイジ 最終章」で共演した西田敏行(70)も旭日小綬章を受章した。

 3月末をもってオフィス北野から独立し、個人事務所を拠点に活動している。最近、独立に関連した騒動が続いていたが、久々の明るいニュースだ。これまで、フランス芸術文化勲章の最高位コマンドールや、レジオン・ドヌール勲章オフィシエを受章しているが、日本での叙勲は初めて。

 北野監督は常々「文化勲章をもらって、立ちしょんべんで捕まりたい」「文化勲章をもらった次の日に食い逃げで捕まりたい」など、自分の権威や地位を上げて落としたい、と話している。コメディアンとして、身をもって落差で笑わせたい思いからだが、また1つ勲章が加わった。

 最近では小説や絵に力を入れている。昨年は、恋愛小説「アナログ」が話題になった。バラエティー番組では、寝る寸前まで小説を書いたり、絵を描いているなどと明かしている。さまざまな分野で活躍する今後に注目だ。