新潟市西区青山水道のJR越後線の線路上で7日午後10時半ごろ、小学校低学年とみられる女児が普通列車にひかれ、死亡しているのが発見された。新潟県警は8日、女児は西区小針上山の小学2年生大桃珠生(たまき)さん(7)と発表。大桃さんの顔にはうっ血がみられ、電車にひかれるより前に何者かに首を絞められるなどして殺害され、線路上に遺棄された疑いがあるとみて、殺人、死体遺棄事件として新潟西署に捜査本部を設置した。

 大桃さんを知る人や事件現場の近隣住民からは、悲しみと怒りの声が上がった。同じ小学校に通い、一緒に遊んだこともあるという男子児童は「静かで優しい女の子だった。珠生ちゃんの家族が心配」と思いやった。大桃さんは学校の休み時間にはドッジボールや縄跳びをして遊び、算数が得意だったという。

 子どもが大桃さんと同じ小学校に通い、事件現場の近くに住む主婦(28)は、事件があった7日午後11時ごろ、現場近くを通った。「買い物帰りに車で通ったら、電車が止まっていて運転手が出てきていた。やじ馬もいたが、その時はただの人身事故かと思った」と振り返った。電車が止まっていたのは、大桃さんの自宅のすぐ近くだという。

 近隣住民によると、大桃さんは両親と兄とともに、1年半ほど前にこのあたりに引っ越してきた。通っていた小針小学校の長谷川豊校長(56)によると、昨年9月、小学2年(当時)の女子児童が校区内で知らない男に腕をつかまれる事件があり、警察に通報。犯人は特定できず、今年は不審者の情報がなかったという。ただ3月には夜9時ごろに、周辺の道路を何度もゆっくりと通る不審な黒い車を見たという近隣住民もいる。

 近くに住む中学2年の男子生徒は「こんな事件は起こらないでほしかった。女の子の人生をぶち壊した犯人が許せない」と力を込めた。大桃さんと同じ町内に住む女性(83)は「このあたりは住宅街で行き止まりや狭い道も多い。犯人は土地勘がある人かも。女の子がかわいそうで仕方がない」と語った。【太田皐介】