立憲民主党の枝野幸男代表は5日の党会合で、森友学園をめぐる財務省の決裁文書改ざん問題で20人の処分者を出しながら、麻生太郎財務相が閣僚給与1年分(170万円)を返上するだけで、だれも明確な責任を取らない安倍政権を「モラル崩壊政権だ」と指摘し、痛烈に批判した。

 財務省が4日に発表した改ざん問題調査結果では、記録の廃棄は安倍晋三首相が夫妻の関与を否定し、関与なら辞任と明言した昨年2月の国会答弁がきっかけと認めた。一方で官邸への忖度(そんたく)は否定しており、矛盾が混在。枝野氏は「子どもでもだまされない、むちゃくちゃな中身。権力の中枢が知らぬ存ぜずで開き直り、何でもまかり通るなら、社会のモラルはなくなる」と指摘。「そんな社会が、安倍晋三首相の言っていた『美しい国』だというのがはっきりした」と、皮肉を交えて批判した。

 市民団体の告発を受けた佐川宣寿・前国税庁長官を不起訴処分とした大阪地検特捜部にも、怒りをぶつけた。この日、神戸製鋼の製品データ改ざん問題で、東京地検特捜部が強制捜査に踏み込んだが、枝野氏は東京と大阪の両地検特捜部を比べ、「官尊民卑の対応だ。何のための特捜だ。こんなことなら、大阪の特捜部は解散してもらってもいい」と、語気を強めた。