「自民党の議席を守るだけの、党利党略法案」と野党が批判する、自民党提出の「参院定数6増」の公職選挙法改正案は17日、衆院特別委員会で与党が強行採決し、可決された。与党は、野党の猛烈な反発を考慮し、17日中の本会議での成立を断念したが、18日の本会議での成立を目指す。

 ただ、身内優先の同改正案の中身には自民党内でも疑問の声が浮上。ベテランの船田元・党衆院議員総会長はこの日、「国民の理解が得られず、納得できない」として、18日の本会議採決を棄権する「造反」の意向を表明した。総会長職の辞任願も党側に提出した。

 同改正案は、比例代表の一部の「特定枠」が合区対象県で選挙区に出馬できない自民党候補の「救済枠」になり、自民の「党利党略」法案といわれるゆえんだ。自民党議員の立場を優遇するような内容で、「身を切る改革」にも逆行する。

 立憲民主など野党6党派は、17日に「政治とカネ」のスキャンダルが浮上した古屋圭司・衆院議運委員長の解任決議案などを提出して、徹底抗戦する構えだ。

 一方、参議院では「カジノ法案」採決をめぐり、野党が石井啓一国交相の問責決議案を提出した。国会会期末を22日に控え、与野党バトルは大きなヤマ場を迎えた。