築地市場から移転する豊洲市場(東京都江東区)で13日、来月11日のオープンを前に開場記念式典が開かれた。

開設者として式辞を述べた東京都の小池百合子知事は、「開場は、さまざまな議論や調整を経て実現した。関係者の皆様に、感謝申し上げる」と述べた。

その上で、「築地市場はさまざまな魅力を備え、築地ブランドで都民の生活を支えてきた。豊洲はそれをしっかり受け継ぎ、最新鋭の市場として出発する」と訴えた。「この市場を日本の中核市場として、世界を見据えての新たに発展させていきたい」とも述べた。

小池氏は16年8月の知事就任後、安全性への懸念などを理由に、当初予定されていた16年11月7日の移転時期の延期を発表。「盛り土」の問題などが浮上する中、土壌汚染対策の追加工事などを施し、今年7月に「安心、安全」を宣言。今月10日、農水省が設置を認可していた。

延期の判断には批判も出たが、小池氏は「必要な対策、確認のステップを経ることで、安全、安心な市場を開場する運びとなった」と強調。しかし一方で、水産仲卸棟の建物部分と舗装の接点部分にひび割れが見つかり、関係者に報告がなされていなかったことも含め、新たな問題も浮上している。

小池氏は式典後の取材に、ひび割れ問題について、「いくつか再点検し、建築上の必要性も補完する。なすべきことはやっていく。開場後も、使い勝手の問題など、皆様の声を聞いていきたい」と理解を求めた。

江東区の山崎孝明区長は「皆で力を合わせ、過去のことは水に流し、前を向いて前進していきたい」と話した。

築地市場協会会長の伊藤裕康氏は「私は今、あらゆる意味で感慨無量だ」と述べ、「円滑にスタートさせることが肝要だ。そのことに全神経を集中させなければならない」と述べた。