自民党総裁選(20日投開票)投開票前の「ラストホリデー」となった17日、安倍晋三首相と石破茂元幹事長は対照的な戦いをみせた。首相は青森市を訪れ、党員らが出席した集会で演説。「困難な課題があってもたじろがず、なすべきことをなす。これが自民党の誇りではないでしょうか」と訴えた。優勢とされる青森で党員票を確実にするため、組織固めを意識した形だ。

一方、石破氏は、歩行者天国の銀座4丁目交差点で街頭演説。「私は圧力があろうと、権力が相手でも一切恐れない。国民のみを恐れている。最後まで全身全霊で戦う」と訴えた。今回、恒例の東京での候補者演説が中止になったが、党員票は19日必着で、東京ではまだ郵送が可能。首相に先行される石破氏だが、大票田の東京で2人が競っているとの調査もあり、まだ投票していない党員への働きかけも意識した。演説後は、汗だくになりながら約1時間、銀座の街を練り歩き。党員に出会うと固く手を握りしめた。

遊説や練り歩きには、佳子夫人(62)も同行し「最後まで正々堂々戦います」と訴えた。「偶然会った方もいらっしゃるが、多くの方に応援していただいて、大変うれしかった」。首相の昭恵夫人は裏方に徹しており、「妻たちの戦い」も対照的だ。