東京都の小池百合子知事は28日の定例会見で、北海道胆振東部地震を受けて北海道の要請で、東京都が提供した乳児用液体ミルクが、安平町で“放置”されたままになっている現状を指摘され、こうつぶやいた。

会見で、液体ミルクが入ったと箱に「キケン 飲むな」の張り紙がされた写真とともに、活用されていない様子が報じられていることを、記者に指摘された。国会議員時代から、液体ミルクの普及を訴えているが、「そもそも、日本ではまだ作っていない。知られていないのは事実だが、水もガスも電気もない時に使える緊急物資」と理解を求め、「ストレスで母乳が出なくなるお母さんもいる、これを機に知ってもらい、いざという時に活用してほしい」と訴えた。

大リーグヤンキース田中将大の妻、里田まいが、以前ツイッターで、液体ミルクに触れていたことも紹介し、「海外では普通で使われていて便利だと発信しておられたのを、覚えている」とアピールした。

都は今年6月、災害発生時に乳児用液体ミルクを海外から緊急調達する協定を、流通大手イオンと締結。今夏の西日本豪雨では、甚大な被害が出た岡山県倉敷市からの要請で、乳児用液体ミルク2000個を同市に送っている。

国内では安全性を担保するための規格基準がなく、これまでは企業による製造、販売が認められてこなかった。厚労省は今年3月、企業の製造、販売に向けた規格基準の案を示し、8月には、企画基準を定めた厚生労働省令が施行された。将来的には国内の流通も可能になる見通し。