安倍政権が臨時国会(12月10日会期末予定)での成立をめざす入管難民法などの改正案について、与党は26日の衆院法務委員会理事会で、27日の委員会採決と同日中の衆院本会議への緊急上程の意向を、野党に提案した。野党は徹底抗戦で阻止する構えで、27日の国会は大荒れ必至の情勢だ。

そもそも法案が委員会で審議入りしたのは今月21日で、質疑は26日でまだ3日目。それでも官邸の意向に忖度(そんたく)して「法案成立ありき」で突き進む与党側は、27日の委員会採決を委員長の職権で決定。野党は、委員会の質疑中に山下貴司法相の不信任決議案などを提出、採決を遅らせるなどして対抗する。

この日、衆参両院の予算委員会では、安倍晋三首相が出席して集中審議を実施。首相は今後、受け入れる外国人労働者数の上限を、法成立後に作成する分野別運用方針で示す考えを示し、「法案成立ありき」の姿勢が如実になった。立憲民主党の逢坂誠二衆院議員は「改正案の中身は何も決まっておらず、スカスカだ」と批判。山尾志桜里衆院議員も、法務省が示した「5年で34万人」は「幻の数字」だと指摘し、「この数字をもとに積み上げている(今の)議論は無駄になる」と反発した。