今年の国会論戦は、安倍晋三首相や閣僚らによる、はぐらかしや「論点ずらし」の手法が目立った1年だった。質問に正面から答えず自身の主張を繰り返し、ついには質問を完全無視する大臣まで登場。政権の「説明力」に、焦点が当たった。政権の巧妙な論点ずらしをご飯の食べ方にたとえ、「ご飯論法」の言葉が世に出るきっかけをつくった法大キャリアデザイン学部の上西充子(みつこ)教授に、話を聞いた。

上西氏は、国会での審議全体を国民が知るきっかけになればと、「国会パブリックビューイング」という上映会を、街頭で開いている。「ご飯論法」に当たる国会審議のやりとりを見せ、どこが問題かを解説。問題のフレーズをピックアップして解説し、繰り返しビデオを見てもらうなど、見る側が考えやすい工夫をした。番組の上映会は7月9日以降、全国で25回実施。屋内での上映会も10回を超えた。上西氏は「国民が日々、国会を監視しないといけないと思ってほしい。多くの人が国会に注目し、自分の言葉でどこが問題なのかを語れるようになる人が増えれば、政権与党は好き勝手はできなくなるのではないか」と話す。年末年始には、「集中ゼミ」の開催も予定している。