東京都葛飾区の女子大生が昨年11月20日から行方不明になった事件で、警視庁捜査1課は1月31日未明、茨城県神栖市の畑で女子大生の遺体を発見した。捜査1課は死体遺棄の疑いで同市の無職広瀬晃一容疑者(35)を逮捕した。同容疑者は「(インターネットの)掲示板で知り合い、初めて会った。騒がれ、車の中で殺してしまった」と供述している。

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茨城県のJR鹿島神宮駅からタクシーで国道124号線を南へ約20分ほど走ると、広瀬晃一容疑者が住むアパートに着く。築29年の木造2階建てで1Kで家賃2万9000円という。昨夏ごろ引っ越してきたとみられ、近所に住む女性は、言葉を交わしたことはないものの「太っていて暗そう。いかにも、変な感じでした。だから余計に印象に残っています」と声をひそめた。

女子大生がタクシーを降りたとされるコンビニは、容疑者の自宅まで徒歩約10分。その途中には徒歩5分ほどで別のコンビニがある。アパートの周辺は街灯は少なく、夜は暗い。土地勘のある容疑者があえて遠いコンビニを指示したのは被害者に位置特定を難しくさせようとした可能性もある。

広瀬容疑者は99年に茨城県土浦市の中学校を卒業後、スーパーの総菜調理や塗装工などの仕事を転々とした。関係者によると、17年4月にはSNSで知り合った女子高生に現金を渡す約束をし、みだらな行為をしたとして茨城県警に児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕され、有罪判決を受けたという。

事件後、同県牛久市の農業法人に勤めたが、採用から約1カ月で連絡が取れなくなった。昨夏ごろ、現在の鹿嶋市の土木会社に勤めたが、会社から給料日前に1万円を前借りしたことも数回あったという。被害者が遺棄された空き地は31日夜、冷たい雨と漆黒の闇に包まれていた。【大上悟】