師匠とそろって昇級だ！　将棋の第77期順位戦C級1組9回戦が5日、行われる。

藤井聡太七段（16）は大阪市の関西将棋会館で近藤誠也五段（22）と対戦する。

現在C1では8勝0敗で、師匠の杉本昌隆七段（50）とトップを並走中。同日同所で対局がある杉本とともに勝利すれば、将棋界32年ぶりの「師弟アベック昇級」が実現する。

藤井は、近藤とは公式戦で過去2回対戦し、いずれも白星とデータ上は有利。個人でも、中原誠16世名人が持つ「デビューからの順位戦18連勝」を上回る新記録がかかるが、「自分のすべきことは、目の前の1局1局に全力を尽くすこと」と気を引き締めた。

一方、師匠の杉本は船江恒平六段（31）と対戦。「弟子が同じクラスにいるのは刺激になっている」と、今期順位戦はここまで無傷8連勝と快進撃を続ける。5日の大一番でも師匠の意地を見せ、藤井とともに最終局を残しての同時昇級を狙う。師弟での同時昇級は、第45期順位戦で大内延介・塚田泰明がそろってB級1組に上がって以来。

順位戦のC級1組は在籍39棋士による10回戦制で、成績上位2人だけがB級2組に昇級できる。師弟の相手となる近藤、船江はともに7勝1敗で3位タイにつける強敵。逆に、そろって黒星を喫した場合は昇級争いは一気に混戦となる。【赤塚辰浩】