米国のトランプ大統領が、安倍晋三首相にノーベル平和賞に推薦されたと“暴露”した問題で、首相は18日の衆院予算委員会で事実関係を問われ、「私からコメントすることは差し控えたい」と多くを語らなかった。ノーベル委員会が、推薦者と被推薦者を50年明らかにしない方針だとする一方で、「事実ではないとは言っていない」とも発言。否定はしなかった。

立憲民主党会派の小川淳也氏は、地球温暖化対策「パリ協定」や、イラン核合意からの離脱などで、トランプ氏が世界を混乱させていることに触れ「どれひとつとっても、ノーベル平和賞への推薦はあり得ない。日本として恥ずかしい」と批判。「戦闘機を買えと言われれば買い、(平和賞に)推薦しろと言われればする。そこまで対米従属しないと、この国の総理は務まらないのか」と、激しい口調で首相を批判した。

首相は「同盟国の大統領には一定の敬意を払うべきだ」と反論したが、事実関係には触れずじまい。国民民主党の玉木雄一郎代表は「(事実かどうか)言えないということは(推薦)されたのだろう」と述べた。

トランプ氏は15日、時期は不明ながら首相からノーベル賞関係者への推薦書簡を受け取ったとして、「ありがとう」と答えたと述べた。昨年のノーベル平和賞発表前、ブックメーカーでは史上初の米朝首脳会談に臨んだ北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長らとともに有力候補になったが、受賞は逃した。 【中山知子】