児童虐待が後を絶たない。千葉県野田市では10歳女児が、父親による虐待で命を落とした。女児は小学校にSOSを発信しながら、その悲痛な声は市教育委員会を通じて、父親に漏れていた。子どもから発信されるSOSを、大人たちはどう受け取ればいいか、考えさせられる事案でもあった。一方、競泳の池江璃花子が白血病を告白し、病と闘う決意を示した。さまざまなことが起きた2月の言葉から-。
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デスクA 千葉県野田市で起きた、父親による10歳女児虐待死。どこかで止められなかったのだろうか。
記者A 亡くなった栗原心愛さんは、父勇一郎容疑者の暴力を「先生、どうにかできませんか」と小学校のアンケートに記し、学校も「ひみつをまもります。しょうじきにこたえてください」と書いたが、市教委が父にコピーを渡した。
記者B 教育委は「どう喝され、威圧的な態度に恐怖を感じた」と釈明したが、最後のセーフティーネットが機能しなかった。
記者C 「父親が怖かった」という市教委の言葉は考えさせられた。対応に当たる人もスーパーマンではない。さまざまな観点で知恵を絞る必要があります。
デスクB 母のなぎさ容疑者は、夫のDV被害者。負の連鎖でした。
記者D 自民党若手有志が、「児童虐待罪」新設に向けた勉強会を発足させるそうです。児童虐待を「人ごと」と感じず、常にSOSに耳を傾けることが必要だと思います。
デスクB 競泳の池江璃花子の白血病発症にも、衝撃を受けた。
記者E 彼女の告白に、ドナー登録が急増。影響力の大きい彼女の発信で、白血病に関する知識も広がっています。
記者A 桜田義孝五輪相の「がっかり」発言は、波紋を広げた。激励もしており、「がっかり」の言葉を切り取った報道を批判する声もあったが、あの状況下での「がっかり」は空気を読めていない。
記者C 兵庫県明石市長も、国道用地買収をめぐり担当者に「火を付けて捕まってこい」などの暴言をはいて辞職しましたが、発言の全容が判明すると、「良いことも言っていた」と空気が変わった。ただ、市長として許される言葉ではありません。
デスクC 4月に史上最年少のプロ棋士になる仲邑菫さん(9)が登場した囲碁界に、新たな新ヒロインが誕生した。
記者B 上野梨紗(りさ)さん(12)。女流棋士特別採用試験本戦1位で、4月からプロ棋士です。会見では「菫さんに負けないよう、頑張っていきたい」と。刺激する関係になりそう。
デスクB 仲邑さんは20日、台湾の黒嘉嘉七段と記念対局。負けましたが1歩も引かず、ピンチ時にも踏みとどまりました。「世界で戦える棋士」という夢に少しずつ近づいてほしい。
記者C 菫VS梨紗の直接対決を早く見たいです。
デスクA 安倍晋三首相の言葉も話題になったね。
記者E 「森羅万象を担当」に加え、自民党大会で「悪夢のような民主党政権」と発言し撤回も拒否。波紋を広げるばかりです。
記者D 連続在任期間が吉田茂を超える2248日になり、「4選」論まで飛び交う。余裕なのかもしれませんが、足元の自民党では女性トラブルで「魔の3回生」田畑毅衆院議員が離党。今年は、12年前の第1次安倍政権退陣につながった「亥(い)年選挙」の年です。政界は一寸先は闇といいますからね。
【政治】
▼安倍晋三首相(64)
「私は総理大臣ですので、森羅万象すべて、担当しておりますので」
6日 厚労省の不正統計問題で野党の質問に。森羅万象担当発言に「神宣言」とネットが騒然
▼石田真敏総務相(66)
「自分のところだけ良ければ、他の自治体への影響は関係ない身勝手な考え」
8日 大阪府泉佐野市がふるさと納税で、返礼品とは別にアマゾンのギフト券を最大20%分提供する100億円還元セールを始めたことを名指しで批判。市長側も反論し対立激化
▼自民党の石破茂元幹事長(62)
「堂々とやるべきだ。裏口から入るとか、日程に載せないとか、あまりいいとは思わない」
10日 石破派を除く6派閥の事務総長が、首相と公邸で極秘会食したことに
▼橋下徹前大阪市長(49)
「先生、こら、あきませんよ。先生には大阪万博のテープカットの台に立ってもらわないと困るんです」
17日 ブレーンとして支えてもらい、今月8日に急逝した堺屋太一さんの告別式で涙の弔辞
▼中江元哉・元首相秘書官
「秘書官である私個人の考えを話した。総理の指示ではない」
19日 厚労省による毎日勤労統計の不正問題で、加計学園問題と同じく総理秘書官がキーマンに浮上してきた。厚労省に「問題意識」を伝達。首相の関与を元秘書官が否定する構図も酷似
▼自由党の小沢一郎共同代表(76)
「来いと言われれば、いつでもご一緒したい」
21日 国民民主党会派入りした、北朝鮮と太いパイプを持つアントニオ猪木参院議員との訪朝に意欲
▼桜田義孝五輪相(69)
「質疑が中断し(来る)時間の判断を誤った」。
同 予算委員会の質疑時間に3分遅れ、5時間も審議を止める原因をつくった。19年度予算案の2月中の衆院通過も、これで困難に
【社会】
▼ZOZO前澤友作社長(43)
「しばらくツイッターはお休みさせてください。本業に集中します」
7日 3月期連結決算の大幅下方修正と、ツイッターの無期限休止を発表。業績悪化が一因か
▼レオパレス21の深山英世社長
「建築現場での作業効率を上げるのが、いちばんの目的だった」
7日 テレビCMでもおなじみの賃貸住宅が、33都府県1324棟で施工不良。1万4443人が転居を迫られ、引っ越しシーズンも重なり居住者に衝撃
▼俳優渡辺謙(59)
「今の医学を信じ、自分の生命力を信じ、前を向いて焦らずしっかり治療に専念してください。祈っています」
12日 かつて自身も患った白血病を公表した池江瑠花子に、エール
▼藤井聡太七段(16)
「しっかり1手1手考え、秒読みになっても落ち着いて指せた。結果を残すことができてうれしい」
16日 朝日杯将棋オープン戦で昨年に続いて優勝。棋戦の連覇は初めて
▼冒険家の三浦豪太(49)
「バックカントリースキーは冬山登山です。リスクは自分で負うもの」
18日 新潟県湯沢町で、バックカントリースキー中に行方不明となった男性2人が無事救助。近年増加を続ける無謀なバッカスキーヤーの遭難事故に警鐘
▼千葉県警の20代巡査
「歯医者の予約があり、早く帰りたかった」
19日 一般道を時速145キロで走行し、書類送検。違反を取り締まる側が違反
▼セブン-イレブン東大阪南上小阪店店長の松本実敏さん
「この8カ月で、3日しか休みが取れていない。このままでは倒れるか過労死してしまう」
21日 人手不足で24時間営業をやめると、本部から違約金とフランチャイズ契約解除を求められる。世は働き方改革の真っ最中
【国際】
▼エリザベス英女王の夫、フィリップ殿下(97)
「深く悔いている」
9日 1月に衝突事故を起こし、その後もシートベルトをせずに運転で免許証を自主返納
▼トランプ米大統領(72)
「安倍首相からノーベル平和賞に推薦された。日本上空をロケットやミサイルが飛ばなくなり、国民は安心を感じている。私のおかげだ」
15日 50年は推薦者も被推薦者も明かさないノーベル委員会のルールを、破る。首相も事実関係否定せず
▼韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長
「謝罪する側が謝罪せず、私に謝罪しろとは何事か。盗っ人たけだけしい」
18日 従軍慰安婦問題の解決策として、天皇陛下の元慰安婦への謝罪を要求。日本側が撤回と謝罪を求めたことに反論。日韓関係悪化に拍車かかる