会社法違反(特別背任)などの罪で起訴され、東京拘置所に勾留されていた日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(64)の前代未聞の保釈劇は、弁護団の高野隆弁護士(62)が指揮したものであることが7日、分かった。

ゴーン被告が6日に保釈された際、着用した作業服を提供した埼玉県内の建築会社代表取締役を務める60代男性が日刊スポーツの取材に応じた。

男性によると、高野弁護士から「作業服一式を貸してほしい」と頼まれたという。理由は分からなかったが、「誰かに何かを頼まれたら基本的に断らない」との信条から貸し出しに応じたという。“無料レンタル”した作業服と帽子は男性が所持するもので、帽子は業務委託契約を結ぶ「日本電装」から配布されたものだった。

また、ゴーン被告が保釈後に乗り込んだ軽ワゴン車は、男性の知人所有のものだったことも明らかになった。男性が塗装工事などを請け負う会社を営む知人に対し、「都内まで車で乗せていってもらえないか」と同行を依頼。ゴーン被告に作業服一式を提供することになるとは知らないまま、作業服をいったん都内まで持参するため、知人が運転する軽ワゴン車に乗ったと明かした。