日産、ルノー、三菱の3社トップは12日、横浜市で会見し、新たな意思決定機関「アライアンスオペレーティングボード」の設立を発表した。トップ1人に権力が集中したゴーン体制とは「決別」し、3社による合議制が取られる。

ルノーのスナール会長が議長を務め、3社の最高経営責任者(CEO)を加えた計4人で構成。ゴーン被告が主導し、一連の不正の温床になったオランダの企業連合統括会社は閉鎖する。スナール氏は「アライアンスの再スタートだ」と述べ、日産の西川広人社長兼CEOは「完全なイコールパートナーシップで運営する。全員の合意で進む」と、ゴーン体制との違いを強調した。

ただ日産とルノーの間ではアンバランスな力関係が続き、今回も将来の経営統合のような資本関係見直しの動きが消えたわけではない。経営統合問題の議論は先送りされたに過ぎない。一方、スナール氏は「私は(日産の)会長になろうとは思っていない」と発言。ゴーン被告の後任会長職をルノーが求めない方針を示し、日産は、代表権のある取締役会副議長にスナール氏を迎えることでルノーと合意したことも発表した。

会見ではゴーン被告に関する質問も出た。西川氏は、同被告が持ちかけたとされるルノーとの経営統合について「私と会長の間に意見に相違があったことは明確に申し上げる。対立があったとは思わない」と述べた。スナール氏は、ゴーン被告の暴走を止めきれなかった西川氏の経営責任について明確には答えず、「過去より将来に目を向けたい」と述べるにとどめた。