衝撃の逮捕から108日目となった今月6日、前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告が保釈された。平成を代表するカリスマ経営者は、次の元号でどんな言葉を残すのか。一方、「50歳まで現役」を公言してきた米大リーグ、マリナーズ・イチロー外野手(45)は、日本で現役引退を発表。引退会見ではイチローの言葉力を、多くの人の胸に刻んだ。12年4月に始まったこの連載も、最終回。ご愛読への感謝も込め、平成最後の3月の言葉から-。
デスクA ゴーン被告の釈放時の変装コスチュームは、今も頭を離れない。
記者A 現場でも最初は気づきませんでした。映像や写真を確認し、「えっ?」という感じ。作業着姿は想定外でしたが、眉毛を隠さなかったために見つかった。最大の誤算ですね。
記者B ゴーン被告が乗った軽ワゴン「エブリィ」を販売するスズキ広報のコメントにも、困惑が見て取れた。「なぜスズキ車を選ばれたのか」と…。
記者C コスプレが恒例の京大の卒業式(26日)でも、作業着姿の卒業生が見受けられました。秋にも初公判ですが、ハロウィーンでも大人気でしょうね。
デスクB 予想より早い保釈だった。完璧な意味での「証拠隠滅が防げるのか」という思いは、今も検察側にあるのではないか。
記者D 保釈後、弁護を担当するカミソリ弘中惇一郎氏の事務所に娘さんと来て、パソコンを使っていたこともあったそうです。「手記」を書いているのではないかとの話もありますが、4月の会見に備えているのかもしれませんね。
デスクC 話題は変わるけど、小惑星「りゅうぐう」に着陸し、舞い上がった砂や石などを採取した探査機「はやぶさ2」の観測で、地表に水を含む鉱物の存在を突き止めたと、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが発表した。
記者E タッチダウン成功を見守る様子をJAXAで取材しましたが、現場の研究者は、「ふつうのおじさん」ですが、子供たちにすごく人気があります。
記者A だれもできなかったことをやっている。子供たちはあこがれるよね。
記者E 米航空宇宙局(NASA)が学びに来るほど、制御技術はJAXAがトップ。「はやツー君」は来年末、日本に帰還予定です。3本の映画になった1号機はやぶさを超える社会現象になるかも。
記者D 鳥取に「隼(はやぶさ)」という駅(若桜鉄道若桜線)があり、スズキのバイク「ハヤブサ」愛好ライダーの聖地と言われますが、今や、天文ファンの姿も増えつつあるそうです。
記者B ゴーン被告の保釈といい、時代はスズキなのかな(笑い)。
デスクA 12年4月に始まったこの連載も、ついに最終回。近年印象的だったのは、将棋の藤井聡太七段と、来月10歳で初段になる囲碁界のスーパーガール仲邑菫さんの言葉力だな。
記者C 藤井七段は27日、2年連続で勝率1位を確定。「1局1局頑張った結果」と振り返りました。
記者A 菫ちゃんの初陣は未定ですが、「世界で戦える棋士」の夢は案外早く実現するかもしれません。
記者C イチロー引退会見の言葉も、濃密だった。最後、孤独についての質問に、米国で外国人になったことで他人を思いやる気持ちが生まれたとした上で、「孤独を感じて苦しんだことは多々ありました。その体験は未来の自分に大きな支えになると、今は思います」と答えた。グッときた人は多いと思う。言葉を大事にしてきたイチローらしい、見事な引き際だった。
デスクB 新しい元号でも、日刊スポーツはさまざまな言葉を伝え続けていきます。(おわり)
<社会>
▼大塚家具の大塚久美子社長(51)
「価値観は全く同じ。いつかそれを理解してもらえると信じている」
4日 1年ぶりの会見で、資本業務提携を発表した際、“決別”した父勝久氏との関係改善に言及。
▼橋本佳歩容疑者(22)
「誤って熱湯のシャワーをかけてしまった」
5日 3歳の長女に大やけどを負わせ、ラップを巻いて放置。交際相手(21)と保護責任者遺棄疑いで逮捕。5歳の兄が異変に気づいて近所に訴え、発覚。
▼清原和博氏(51)
「こつこつ治療してきて、それが厚生労働省に認められたのかなと思うと、すごくうれしい」
6日 厚労省主催の依存症理解への啓発イベントで。
▼カルロス・ゴーン被告(65)
「日産はこのままで大丈夫か?」
12日 日産とルノー、三菱自動車が発表した新たな意思決定機関設置に関する声明に、こう漏らしたと弘中弁護士。
▼佳子さま(24)
「私は当人の気持ちが重要であると思っています。姉の希望がかなう形になってほしい」
22日 国際基督教大(ICU)卒業にあたり、宮内記者会の質問に文書で回答。姉眞子さまの結婚、マスコミ報道のあり方にも言及。
▼国際オリンピック委員会のバッハ会長
「アンクル・オリンピックスの死は悲しい知らせ。彼は64年からすべての五輪を見てきた、真のスーパーファンだった」
18日 「五輪おじさん」山田直稔さんが9日に92歳で死去したのを受け、敬意を込めた追悼コメント。
▼日本オリンピック委員会の竹田恒和会長(71)
「次代を担う若いリーダーに託し、新しい時代を切り開いてもらうことが最もふさわしい」
19日 東京大会をめぐり贈賄容疑でフランス当局が捜査する中、任期満了での退任表明。国内外の辞任圧力に追い込まれた。
▼仲邑菫さん(10)
「世界で戦える棋士になりたいです」
26日 4月1日に日本囲碁史上最年少の10歳0カ月30日で初段になる期待の星が、囲碁ナショナルチームの新メンバー加入(育成選手)の会見で宣言。
<政治>
▼自民党の二階俊博幹事長(80)
「出馬することになれば、全面的に協力するのは当たり前だ」
4日 来夏の都知事選での小池百合子知事支持を早々と表明。自民党都連が反発で発言封印するも、小池氏との会食など蜜月続く。
▼内閣府
「下方への局面変化」
7日 1月の景気動向指数は3カ月連続悪化。戦後最大の景気拡大どころか景気は後退局面。10月の消費税10%はできるか。
▼谷垣禎一・前自民党総裁(74)
「リハビリを中心に、人に迷惑をかけないように生きていきたい」
13日 参院選出馬要請を固辞も、待望論はやまず。
▼自由党の小沢一郎共同代表(76)
「野球という分野にとどまらない文字どおりのスーパースターであり、ヒーローです」
21日 元祖「政界のイチロー」が、同名のイチロー引退を受けてコメント。
▼麻生太郎財務相(78)
「分裂とは思わない。造反と思う」
22日 自身の「私怨」が保守分裂を招いたとされる福岡県知事選で、自身が支持しない現職についた自民党国会議員に対して。選挙後も混乱?
▼沖縄県の玉城デニー知事(59)
「県民投票で明確に示された民意を無視し、工事を強行することは、民主主義を踏みにじり、地方自治を破壊するものだ」
25日 辺野古沿岸部新区域に新たに土砂投入を始めた政府に、憤り。
<国際>
▼トランプ米大統領(72)
「安倍首相が、『日本は少なくとも7つの大きな工場を米国に移す』と話していた」
6日 対日貿易赤字が676億ドルにふくらむ中、ノーベル平和賞推薦に続き、安倍晋三首相のオフレコ発言を暴露。
▼ブレント・タラント容疑者
「暴力的で革命的な方法が唯一可能な解決策だ」
同日 ニュージーランド・クライストチャーチの2つのモスクで銃乱射。50人死亡。カメラを装着し、17分間ライブ配信する残酷さ。
▼メイ英首相(62)
「新たなリーダーシップに期待があるのは知っている。私はそれを妨げない」
27日 泥沼化している欧州連合(EU)との離脱合意案に関し、英下院で承認された場合の辞任に言及する捨て身戦術。しかし3度目採決も否決で万事休す?