大阪維新の会前代表の橋下徹元大阪市長(49)が8日、フジテレビ系の朝の情報番組「とくダネ!」に出演。

「大阪都構想」をめぐる維新VS公明党とのバトルに“場外参戦”した。次期衆院選で公明現職のいる関西の6つの選挙区への「刺客」を熱弁した。大阪府知事・市長選のダブル選(7日投開票)で完勝した松井一郎大阪市長(55)と吉村洋文大阪府知事(43)は一夜明け、初登庁した。また、9日に告示される夏の参院選の前哨戦となる衆院大阪12区の補欠選挙でも維新は議席を狙う。

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橋下氏が戦闘モードに突入した。大阪府知事・大阪市長のダブル選と同日選となった府議選・大阪市議選で大阪維新の会が大勝したことを受け、コメンテーターとして出演した。大阪市を廃止して特別区に再編する都構想の住民投票の実施をめぐる維新VS公明党とのバトルについて「公明党候補がいる関西の衆院選挙の6区すべてに、大阪維新の会のエース級メンバーを立てる。もう準備はできてる。戦闘態勢に入っています」とけん制した。

ダブル選に圧勝し、維新は都構想の実現に向け、強烈な追い風を受けた。府議会では過半数の議席獲得という目標を達成、市議会でも過半数に達しなかったものの大幅に議席を伸ばした。都構想の住民投票を実施するには協定書を決定した上で、府市両議会の承認を得る必要がある。今後は市議会で他党の協力が得られるかがポイント。今回のダブル選は公明党との住民票の“密約”をめぐるバトルがきっかけになったが、両党が再び、交渉のテーブルにつくかも注目される。

維新創設者の橋下氏は知事選で当選したばかりの吉村氏が次期衆院選で鞍替えする可能性にも言及した。「吉村さんの性格からして、次に衆院選になったら吉村さんは出ますよ」と熱弁した。

ダブル選後には参院選の前哨戦となる衆議院大阪12区補欠選挙が控える。自民党、維新、無所属候補の三つどもえに、共産党の衆院議員が無所属で名乗りをあげた。各陣営は維新の勢いを警戒する。

松井氏と吉村氏は8日夕、関西地区の各局の民放番組に出演。橋下氏の“出馬要請”に吉村氏は「ないですよ」とキッパリ否定し「民間人の立場で自由に言っていらっしゃるのでしょうね(笑い)。出るなら橋下さんも一緒に引っ張っていきます」と話した。政界復帰について「もうオジイは引退なんですよ」と否定した橋下氏だが、自ら提案した公明党への刺客候補になる? 【松浦隆司】