山陽新幹線の新大阪-新神戸間を走行中の東京発博多行き「のぞみ17号」が、非常用開閉ドアコックを使って扉が開けられたため、緊急停車した。乗務員が乗客の男が線路内に飛び降りたのを発見し、取り押さえた。兵庫県警葺合(ふきあい)署によると、男は職業不詳の50代で、新幹線特例法違反の疑いで現行犯逮捕した。男は「線路内に下りたことは間違いありません」と容疑を認めている。

JR西日本鉄道事業本部によると、新大阪駅出発から約5分後、兵庫県尼崎市内を走行中に、9号車の非常用開閉用ドアコックを使って扉が開けられた。運転士が警告表示に気付き、緊急停車すると、男が新幹線から飛び降り、線路上にいたという。男は「のぞみ17号」に乗せられ、次の新神戸駅で警察に引き渡された。署によると、男は飲酒した様子はなく会話もできる状態で、線路内に下りた際は手ぶらだったという。

安全確保のために上下線を停電させた影響で、山陽新幹線は一時運転を見合わせ、約45分後に再開。上下線25本に遅れが出るなど、新大阪~岡山区間で約1万4200人に影響が出た。