テクノユニット「電気グルーヴ」メンバーで俳優のピエール瀧被告(52)が、コカインを使用したとして逮捕、起訴されたことを受けて、ソニー・ミュージックレーベルズが逮捕翌日の3月13日に音源・映像の出荷停止、在庫回収、配信停止を行ったことに抗議し、署名活動を行った発起人、賛同人が15日、都内の文部科学省で会見を開いた。

発起人で社会学者の永田夏来氏は、今回の一連の活動について、電気グルーヴの石野卓球(51)とは全く連携を取っていないと明らかにした。質疑応答で、石野と連携しているのかと聞かれた同氏は「全く、やってないです。勝手に、私たちが聴き手の立場から起こしたアクションです」と語った。その上で「私自身、これは多分、卓球さんが聞いたら嫌がると思うだろうなって勝手に想像はしていましたけれど、やはり言うべきことは言わないといけないという考えで始めました」と、石野が嫌がることを想定しつつも、行動を起こしたと説明した。

同じく発起人で音楽研究家の、かがりはるき氏は「卓球さんはエゴサ(インターネット上で自らを検索するエゴサーチ)の鬼なので、我々の活動は間違いなく捕捉されていると思いますが、それに対して具体的にどうというリアクションはいただいていないです」と続けた。その上で「黙認と捉えるべきなのか、放置と言うべきなのか分かりませんが」と言い、苦笑いした。

賛同人でヒップホップミュージシャンのダースレイダーは、会見の冒頭で「この署名活動に関して、電気グルーヴというグループ自体が、こんなことを望んでないんじゃないか? という声を聞きますが、僕が知っている電気グルーヴは当然、こんなことは望んでいないと思います」と自ら口にした。そのことを踏まえた上で、質疑応答で「(石野は)むしろ、望んでいない可能性すらあって…それが電気グルーヴ的だなと思っているので。本人たちは絶対、こういうのをやらないだろうから、やっている点もあります」と語った。

署名を求めるキャンペーンは、インターネット上で3月15日に開始し、27日間で79の国と地域から6万4606人の賛同を得たという。79カ国のうち、日本が6万3687人と最大だった一方、日本以外では米国から257人、英国から62人、ドイツから50人の数字が目立った。電気グルーヴやテクノの人気が高いことが理由とみられる。米太平洋諸島などから2人、アフリカ大陸北西部の西サハラ、東アフリカのブルンジ、インド洋上に浮かぶフランス領のレユニオン島、中米のエルサルバドル、英国グレートブリテン島とアイルランド島に挟まれたマン島などから1人の署名もあった。【村上幸将】