東京都の小池百合子知事は19日の定例会見で、都内の防潮扉に描かれているのが見つかった正体不明の路上芸術家バンクシーとみられるねずみのアートについて、今月25日から来月8日まで、大型連休をはさんだ2週間の間、東京都庁本庁舎2階の北側出入り口付近で一般公開すると明かした。

作品がバンクシー本人のものか、まだ確認されておらず、真贋(しんがん)問題がくすぶる中で、見切り発車的に公開に踏み切ることになる。

小池氏は、公開の理由について世間の関心の高さを挙げた上で、「そもそも情報提供者は、国立近代美術館の館長だ。本人のものの可能性が高いということから、こういう動きになっている」と指摘。「複数の関係者からも意見をうかがっているが、バンクシーの作品集に収められた作品と一致しており、ほぼ本物ということだった」と述べ、専門家筋の判断で「本物」の可能性が高いとの見方が示されていると説明した。

真贋(しんがん)が決着していないため、公開の際は「バンクシーの作品らしき」ということわりをつける。バンクシー側には、インスタグラムを通じてバンクシーの作品かどうか確認の連絡をしているが、「今も返事はない」という。

一方で、仮にバンクシーの作品だった場合でも、都の防潮扉という公共物に描かれた「落書き」との見方もあり、落書きを許すのかという批判もある。小池氏は「(本物だという)かなり高い角度の情報が寄せられたから(公開する)。公共物への落書きを容認するということではない」と、理解を求めた。