一方的に親しみを感じ、この26年、おふたりのご様子を気にかけてきた。天皇、皇后両陛下の「結婚の儀」が行われた1993年6月。新聞やテレビ、週刊誌で時の人になったのは蜂谷尚士さん(52)裕子さん(53)だった。一般人でありながら、2人の結婚式には約1000人が集まり、1万を超す人がパレードで日の丸を振った。

当時の女性誌の見出しは「私はコワダの雅子さま!十二単パレード 飯田線小和田駅で究極のあやかり挙式」。雅子さまの旧姓・小和田(おわだ)と同じ表記の小和田(こわだ)駅がある静岡県水窪町(現浜松市)が、思いをいちずに貫かれた皇太子さまと、ハーバード大卒の外交官というキャリアを捨てて応えた雅子さまの純愛に「小和田発ラブストーリー」というキャンペーンを始めた。そのメインイベントが小和田駅での十二単(ひとえ)結婚式だった。

全国から応募した48組の中から選ばれた2人が「事の重大さを思い知らされた」のは当日だった。殺到したマスコミに式が終わると、「共同記者会見を始めます!」。「聞いてない、聞いてない。パレードも1万何千人なんて。僕ら素人やし、日の丸を振られてもどうしたらええんか分からないじゃないですか。もう笑うしかない、笑って手振るしかないって」(尚士さん)。「疲れて3日寝込んで。皇室の大変さがあれで分かった。全部に応えるのは精神的にも体力的にもすごいことだと分かりました」(裕子さん)。

2人はその後も結婚1周年、2001年の愛子さまご誕生など、両陛下のご結婚生活の節目でマスコミ取材を受けた。愛子さまは2人の次男と予定日が重なり、ご誕生特番は中継車が出動しての生出演だった。雅子さまと2つ違いの裕子さんは不妊治療、重い産後うつと同様の経験を重ねた。それだけに皇后にかかる重圧が気にかかる。「お元気になられて、一般参賀は輝いて見えました。本当にうれしかったです。これ以上、無理なさらなくていいから、応援してます」。【中嶋文明】

◆天皇、皇后両陛下のご結婚 93年1月、当時皇太子の天皇陛下と当時外交官だった小和田雅子さんの結婚が内定。一気に全国がロイヤルウエディングムードに沸いた。同年6月9日に行われた「結婚の儀」を中継したNHKの視聴率は30%超え。皇居から東宮仮御所まで約4・2キロのパレードでは沿道に約19万人が詰め掛け、おふたりを祝福した。