実業家の堀江貴文氏(46)が15日、都内の日本外国特派員協会で、自ら出資、設立した北海道大樹町の宇宙開発ベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」のロケット「MOMO(モモ)」3号機が、民間単独では日本で初めて宇宙空間とされる高度100キロを突破し「準軌道(サブオービタル)宇宙飛行」に成功した件について会見を開いた。

堀江氏は「世界でも、そんなに数が多くないロケット打ち上げビジネスで1つのマイルストーンを超えた」と強調した。その上で「ロケットビジネスに関して言うと、ライブドア時代から結構、試行錯誤しながら投資をしてきまして…多分、私財で60億円以上、投資をして」とライブドアの社長時代から投資してきたと強調。「何とかサブオービタルロケットの打ち上げまでたどりついて非常に感慨深い」と喜びをかみしめた。

堀江氏は会見の冒頭で、日本外国特派員協会から、同協会で弁護団が会見を何度も行っている、会社法違反(特別背任)などで起訴された日産前会長のカルロス・ゴーン被告に関して語るようリクエストがあったと明かした。「カルロス・ゴーンの話をしろとオファーをいただきましたが、ロケットの打ち上げに成功しましたので、それでいいですか? と言い、快諾いただきました」と笑った。

インターステラテクノロジズによると、MOMO3号を4日午前5時45分に打ち上げ、約4分後に最大高度113・4キロ(速報値)に到達。8分35秒の飛行後、発射地点から東南東37キロの海上に着水した。

プロジェクトは、97年に低価格の小ロケット開発の検討を始めた有志が、04年に堀江氏に話を持ち込み、翌05年に民間宇宙開発を目指す組織「なつのロケット団」を結成したことに端を発する。17年7月に打ち上げた初号期は、発射から66秒で通信途絶。18年6月に打ち上げた2号機も、離陸から8秒で墜落。今回も、打ち上げを予定していた4月30日にバルブの不具合が見つかった上、その後、3日間は強風で打ち上げが見送られたが、そうした苦難を乗り越えての成功だった。今後、同社は今回の検証と並行し、軌道投入機(2段ロケット)「ZERO」の開発に取り組むという。

この日の会見には、インターステラテクノロジズの稲川貴大社長(32)も登壇した。【村上幸将】