飯森容疑者が発見された大阪府箕面市の山林付近に住む吉田州伸(くにのぶ)さん(83)が早朝の逮捕劇を証言した。午前6時40分ごろ、吉田さんは犬を連れて山道に入ろうとした際、府警の捜査員に「少し待っていただけますか」と足止めされた。

数分後、「7、8人の警察官に囲まれた男が山の中から連行されてきた。頭には三角の頭巾のような帽子をかぶせられ、表情は見えなかった」。2人の警察官が両手に計4枚の防弾盾を持っていた。飯森容疑者は暴れる様子はなく、捜査車両に乗せられていたという。山道の入り口から飯森容疑者がいたベンチまでは徒歩で約10分。別の捜査員は吉田さんに「上と下からと挟みうちするかたちで捕まえた」と話した。

飯森容疑者は幼少期から高校生のころまで吹田市で暮らし、事件現場となった「千里山交番」から徒歩約10分のマンションに住んでいたこともあった。中学時代の同級生の男性(33)によると「小学校時代は野球チームに所属し、中学では野球部に入っていた。まじめで、どちらかというと控えめだった」と話した。

中学校では成績は上位だったという。飯森容疑者のものとみられるフェイスブックでは、05年に吹田市の府立北千里高を卒業後、東京の駒大に入学し、09年に卒業したとしている。中学時代の別の同級生の男性(33)は「好き嫌いが激しく、けっこうこだわりが強かったという印象がある」と証言した。【松浦隆司】