東京都市大学(東京都世田谷区)の人間科学部教授・大野和男容疑者(51)が覚せい剤取締法違反の疑いで現行犯逮捕されていたことが24日、分かった。

捜査関係者によると、東京・新宿区の路上で2日、覚醒剤を所持したとして警視庁四谷署に同法違反容疑で現行犯逮捕された。容疑を認め、21日に覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪で起訴された。

今回の逮捕以前にも、同法違反で逮捕されていたことも明らかになった。大野容疑者は昨年4月1日付で同大教授に着任直後の同月下旬、覚醒剤の所持容疑で現行犯逮捕され、有罪判決を受けて執行猶予中だった。容疑者は大学側に一切報告をしておらず、大学側も事実を知ることのないまま、教授として、講義やゼミを続けさせていた。

今月4日、警視庁から今回の事件での逮捕の連絡があり、14日に大学側が拘置所で同容疑者に接見し、本人から昨年の事件で執行猶予中だったことも明かされたという。「逮捕の連絡にも驚きましたが、着任直後にも逮捕されていたことなどを聞かされて、本当にびっくりするしかなかった」と接見した担当者は声を落とした。

大野容疑者は発達心理学などが専門で心理学の講義以外に約10人と少人数の「保育学・発達学研究室」のゼミも担当。大学広報は「勤務状態などに問題はなく、学生の評判もいい教授と認識していました」と語った。大学側では「昨年4月に判明していれば就業規則に沿って、最も重い懲戒解雇などの処分は免れなかった」との見解を示し、今回の事件の捜査の進展状況も注視しながら「厳正な処分と再発防止に努めます」と、早期の対応に着手する方針を示した。【大上悟】

◆東京都市大学 1949年(昭24)、武蔵工業大学として創設された私学で09年に改称。工学部、知識工学部、環境情報学部、都市生活学部、人間科学部の5学部16学科。本部は東京都世田谷区玉堤1の28の1