立憲民主党の枝野幸男代表は27日、参院選(7月4日公示、21日投開票)を前に、日刊スポーツなどのインタビューに応じた。

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-消費税10%にはしないというスタンスだ

枝野氏 5%から8%に上げた時、従来は消費税を上げても消費に影響しない、といわれた前提が変わった。明らかに消費を冷え込ませる効果が持続する、悪い効果が現実に出ている。その時と比べても、心理的要素が大きい消費不況という状況は、むしろ深刻化している。消費が安定的に回復する状況を取り戻さないと、消費税を上げれば、経済がめちゃくちゃになる。

さらに(12年の)3党合意が破棄されたことにつながる、使い道がきちんと社会保障に回っていないことへの国民の不信が大きい。我々は「3党合意」について、自民党が約束を守らず、破棄されたと思っている。この政治不信の中では上げることは許されない。3つめは直間比率の見直し。もうかっているのにほとんど法人所得税を払っていない法人、金融所得などで多額の収入を得ているのに、実は税率が低いみなさんに公平な課税をする。こちらを先にしないと納税者の納得は得られない。この3つが整わない限り上げるべきではないという考えです。

-安倍首相が言うように、憲法は争点になりますか。首相は26日の会見で「憲法の議論すらしない政党を選ぶのか、議論を進めていく政党や候補者を選ぶのか」と指摘しました

枝野氏 安倍さんは、うそを言っている。我々はむしろ、議論を積極的にしようと言ってきた。衆院の憲法審査会でも、テレビCM規制を議論しようと言っているのに、いやだと言って拒否してきたのは自民党。我々が反対しているのは、9条に関して憲法違反の集団的自衛権を認めながら、その9条を変えるという議論を持ち出しているから、それは立憲主義の観点から許されない、これは徹底的に戦うと。解散権の誓約や知る権利などについては、(改正に)積極的です。

-令和になって初めて国政選挙。意識しますか

枝野氏 私の問題意識は、安倍政権6年の審判であると同時に、平成30年間の政治、社会構造を見つめ直す。人口が減る構造に入った1点だけでも、従来の構造が通用するはずがない。元号が変わる節目で、そうした現状を踏まえ、大きな転換の1歩を踏み出す時期だと思う。単に政策的なレベルではなく、お任せ民主主義から参加型民主主義へ、民主主義そのもののバージョンアップが必要。そういう問題意識から、(公約は)「#令和デモクラシー」とうたった。大正デモクラシーに相当するか、それ以上の民主主義にバージョンアップを進めるべきという問題意識を訴えたい

-衆参ダブル選にならず、正直ほっとしましたか

枝野氏 いいえ。間違ってしてくれたら、面白かった。

-ダブル選で勝つ自信はありましたか

枝野氏 何をもって勝つというかは難しい。なかなか一発で政権交代までできる力が今あるのか、他党との連携を想定しても簡単ではないのは分かっていましたが、少なくとも与党の議席を大幅に減らす選挙にすることはできたと思っています。(完)【構成・中山知子】