ラグビーワールドカップ(W杯)開幕戦前の20日夕刻には、航空自衛隊ブルーインパルスが、復興への思いを込めて飛んだ。埼玉・入間基地を飛び立った6機編隊は、一糸乱れぬ隊形で東京・味の素スタジアム上空に飛来し、日頃磨いてきた技を約5分間、披露した。

日本や日本代表を表現するために選んだ演目「さくら」では、スモークで6つの巨大な円=花びらを描いた。あいにくの曇り空だったが、観客を喜ばせた。無事に任務を終えた飛行隊長の福田哲雄2佐(42)は「ホッとしています。上空にもスタジアムの熱気が伝わってきました。選手のみなさん、応援しています!」と振り返った。

宮城・松島基地を拠点にし、地域とともに復興の道のりを歩いてきた。6番機の佐藤貴宏1尉(33)は、壊滅的被害を受けた岩手県山田町の出身で大船渡高校卒業だ。震災後最大級のイベントは隊員たちにとっても特別なものだ。25日、岩手・釜石での初戦前にも飛行予定だ。佐藤さんは「記念すべき行事でフライトできたことを喜ばしく思います。次回も1人でも多くのみなさまを笑顔にできるよう頑張ります。頑張れ!ラグビー日本代表!」と代表にもエールを送った。