小泉進次郎環境相が、11日の衆院予算委員会で相対した立憲民主党の辻元清美幹事長代行から「あなたは政府の問題をごまかす清涼剤、デオドラントに使われるのではないかと心配している」と、指摘される場面があった。

「くさいものにはふたをというが、まだあなたはふたにはなっていない。軽いから」と酷評され、「政治不信の片棒を担がされるのではないかと心配だ。ご忠告したい」とも伝えられた。

辻元氏は、進次郎氏が昨年、森友学園をめぐる文書改ざん問題について「平成の政治史に残る大きな事件」「何が真実か知りたい」と述べたことを引き合いに、「さすが小泉進次郎と思った。今もそう思っているか」とただしたのに対し、進次郎氏の一連の回答を踏まえて、そう指摘した。進次郎氏は、かつて父の小泉純一郎元首相とも「ソーリ、ソーリ」と丁々発止でやり合った経験がある辻元氏から、挑発の「洗礼」を受けた形になった。

進次郎氏は、文書改ざんをめぐる過去の自身の発言について「私なりに思ったことを率直に言った。疑惑に誠実に答えるのは政治家の役目だ」と述べたが、辻元氏は「今もそう思っているかと聴いた。当時、何が真実か知りたいと言ったが、真実を知ることはできたのか」と突っ込んだ。

これに対し、進次郎氏は「当たり前のことだが、書き換えはあってはならない。私もいま、大臣として役所を率いる責任ある立場として、そういうことはあってはならないし、当時の思いは今も変わらない」とした上で「今は、安倍内閣の一員として内閣の方針の中で責務をまっとうするのは当たり前のことだ」と述べ、大臣としての心構えでかわした。

辻本氏は「これでは質問ができない」と、批判。「あそこまでたんかを切ったのだから、あなたの言葉で語ってほしい」と水を向けたが、進次郎氏は「大臣として内閣の中で自分の思いを持ちながら、責務を遂行するのは変わらない。私自身は、官僚の皆さんに責任を押しつけることはしたくないし、してはならないと思っている」と応じ、かみ合わない議論が続いた。

業を煮やした辻元氏が、麻生太郎財務相の名前を挙げ「森友問題で誰か政治家は責任を取ったか」と迫ったが、進次郎氏は「辻元さんからは、質問内容の通告は受けていない。貴重な予算委員会の場だ。実りある議論をするためにも、通告をしっかりしていただけると前向きな議論ができる」と、事前の質問通告がなかったことを理由に回答を控えた。その後も、同様の答えを繰り返した。

辻元氏は「国民が小泉さんに期待しているのは何か。森友問題の時、官僚に責任を押しつけてはならないと言った話に、国民は喝采を送った。でも大臣になったら全然違う。誰も責任を取っていないと言えばいい」と踏み込んだが、進次郎氏は「私は環境大臣だ。辻元先生とは気候変動のことについては議論したいが、今言われていることについて、環境大臣としてのコメントは差し控えたい」と述べ、言及は控えた。