第46回東京モーターショー(東京・江東区、東京ビッグサイトほか)が24日開幕、25日から11月4日まで一般公開される。

23日にメディアに公開され、各出展メーカーから電気自動車(EV)の市販車、コンセプトカーなどが勢ぞろいする中、トヨタは水素を化学反応させて発電する燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」の次期型モデルを初公開した。

FCVは地球温暖化の原因の1つとされる二酸化炭素(CO2)の排出量ゼロ。実用面では一般的なEVが充電に30分以上を要し、航続距離は約300キロに対してミライは約3分で満充填(じゅうてん)され、航続距離は650キロ以上。高速道路なら東京から岡山に到達も可能な数字だ。

初代は14年に世界初の量産型FCVとして発売、世界で累計1万台を突破し、国内でも同3100台を超えた。「EVの弱点をカバーし、普通の車として使用できる。満タンで水素代4000円ほど。自治体から補助金もある」。現行型を発売当時から4年間愛用する自動車評論家の松下宏氏(67)は高評価する。

次期型はさらに実用性を高めた。乗車定員は4名から5名となり、満補充での航続距離も約30%アップを目指し、実現すれば約845キロ以上で「開発は最終段階」(開発スタッフ)という。車両サイズは全長4975ミリ、全幅1885ミリ、全高1470ミリ。トヨタ「クラウン」をやや上回る程度。来年末の発売予定とされ、推定価格は現行型の約740万円を下回る可能性もあるとみられている。

16年にホンダ「クラリティ」が発売されてFCVは国内2車種となったが普及にはインフラ整備が不可欠だ。水素を補給する「水素ステーション」は全国に現在約100カ所あるが、約4~5億円といわれる設置費用がネック。インフラ整備が加速すれば、FCVの販売台数も増え、車両価格も下がるはず。エコカーの先頭を走るのは現在EVだが実用的なFCVが数年後にはシェア拡大する可能性は高い。【大上悟】