国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7000万円をだまし取ったとして詐欺などの罪に問われた学校法人「森友学園」の前理事長籠池泰典(本名・康博)被告(66)と妻諄子(本名・真美)被告(62)の論告求刑公判が30日、大阪地裁(野口卓志裁判長)で開かれた。検察側は両被告にいずれも懲役7年を求刑した。公判は結審。判決は来年2月19日に言い渡される。

退廷しようとした籠池被告が検事の顔をにらみつけた。検事はニヤリと笑った。検察側は論告で、両被告が詐取を発案し、国の補助金申請を代行した小学校の設計業者に対し「うそも方便。多めにもろといて。国からぼったくって」などと話したことを指摘。その上で「狡猾(こうかつ)な手口で、厳罰をもって臨む必要がある。大胆な犯行で権力の被害者のように振る舞い責任転嫁が甚だしい」と非難した。

弁護側は最終弁論で改めて両被告の無罪を主張した。籠池氏は最終意見陳述で「国会答弁や公共放送で“詐欺を働く人”という発言した安倍首相を許すことはできません」。最後は法廷で「黄金の 夫婦道中 日本晴」など2句を披露。会見では「“首相反逆罪”による裁判だった」と語気を強めた。【松浦隆司】