6日午前9時ごろ、東京・羽田空港の国内線旅客ターミナルで断水が発生した。上水道が止まり、トイレの手洗い場が使えないなどの影響が出た。

断水により、飲食店も影響を受け、一時営業休止状態となった。隣接する国際線ターミナルビルは、断水は起きなかった。

ターミナルを運営する「日本空港ビルデング」によると、午前9時ごろに「空港施設」から連絡があり断水が判明した。一般客の多くが使用するトイレの水は流れるが、手洗いに使用する水が出ない。空港側の対策として、500ミリリットルの保存水を手洗い場に置き、手を洗う水として使用した。2時間後の午前11時ごろには、第1ターミナルで順次復旧し、一部飲食店も営業を再開した。

一方、第2ターミナルでは午後6時を過ぎても断水が続き、“空港グルメ”として知られる飲食店が影響を受けた。「お座敷天ぷら 天政」の橋井良彰社長は、断水がわかった時に従業員に「ミネラルウオーターを買いに行かせました」。天ぷら専門店にとって、水が使えないと何もできない。手を洗う他に、魚やまな板を洗うために水を使用する。6~7人の接客対応を続けたが、水がなくなり開店から1時間半後の午後1時に閉店を決めた。

お店側の被害も大きく「まだ、原因がわかっていないので、前日にとっただしも全部捨てさせました」と話した。橋井さんは「台風などの自然災害による臨時閉店はあったが、今回のようなことは初めて。30万円くらいの損失ですよね。早くお客様においしくて安心安全の料理を提供したいです」と語り「原因追及を早くして欲しい」と求めた。

日本航空、全日空の担当者によると、いずれも運航に被害はない。しかし、ラウンジ内での食事の提供を一時中断したほか、洗い物ができないため、本来のガラス製のコップを使用せず、紙コップに切り替えて対応した。

「日本空港ビルデング」によると、原因の判明や復旧のメドはまだたっていない。担当者は「お客様には多大なるご迷惑をおかけし、大変申し訳ございません。早期復旧に努めます」とコメントした。【佐藤勝亮】