大学入学共通テスト(20年度開始)に向けた試行調査をめぐり、ベネッセコーポレーションが業務の受託を示して高校関係者に自社サービスを紹介したことが20日、分かった。衆院文科委員会で国民民主党の城井崇氏が明らかにし、萩生田光一文科相も事実を認め「ベネッセに厳重に抗議し、是正をうながす」とした。

城井氏によると、ベネッセは17年度の試行調査で作問や採点アドバイザリー業務を受託。その年に開催した首都圏の高校関係者向け研究会で「大学入試センター試験記述式採点アドバイザリー業務受託」とうたった資料を配付し、自社の模試を紹介するなどしたという。

城井氏は、重大な利益相反で契約違反と追及。萩生田氏は「学校現場にこのような資料を配付するのは、記述式問題の採点業務の中立性、信頼性に疑念を招く」などと答えた。21年1月の共通テストの国語と数学の一部に導入予定の記述式問題でも、採点をベネッセグループの学力評価研究機構が請け負うことになっている。

また萩生田氏はこの日の衆院文科委員会で、民間検定試験の導入を見送った共通テストの英語の検討会議について、「時間稼ぎをしているつもりはない。第1回を年内に開催したい」との意向を強調した。