東京五輪・パラリンピックイヤーとなる2020年版の「ミシュランガイド東京2020」が26日、発表された。日本ミシュランタイヤが都内で記者会見し、掲載された飲食店・レストランは39種類のカテゴリーから464軒に上った。星付きの飲食店・レストランは226軒と今年も世界一星の多い都市となった。宿泊施設は34軒で計498軒が掲載された。

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三つ星評価を受けた飲食店は11軒となり、日本料理店の「かどわき」が2009年の初掲載以来の二つ星評価から、新たに三つ星に評価を上げた。東京五輪を控え、多くの訪日海外旅行客が訪れる事が予想されるが、かどわきの門脇俊哉シェフ(59)は「和食の入り口を広くする。アユや生魚が嫌いな海外の方だけの専用メニューを用意するのではなく、外国人も日本人もおいしいと思ってもらえる、うま味を特徴とした料理をお出しする」。こだわり抜いたおもてなしを提供する。

初掲載から13年連続三つ星評価を受けたのは、港区の日本料理「かんだ」、品川区のフランス料理「カンテサンス」、目黒区のフランス料理「ジョエル・ロブション」の3軒となった。また、2019年度版まで三つ星で掲載されていた「すきやばし次郎本店」「鮨さいとう」は一般予約が不可となったため、掲載外となった。

二つ星評価には、2018年に一つ星を受けたイタリア料理の「プリズマ」が、新たに評価を上げ、現在の日本で唯一の二つ星イタリアンレストランとなった。東京でイタリア料理が二つ星の評価になるのは「ミシュランガイド2011」以降初めて。

東京のミシュランガイドは2007年にアジア初としての発行以来、毎年更新され13年目を迎えた。今回は464軒の飲食店・レストランと34軒の宿泊施設が掲載された。「ミシュランガイド東京2020」は11月29日に発売される。

◆ミシュランガイドの料理の評価

▽三つ星 そのために旅行する価値のある卓越した料理

▽二つ星 遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理

▽一つ星 近くに訪れたら行く価値のある優れた料理

▽ビブグルマン 価格以上の満足感が得られる料理(昨年までは1人あたり予算5000円以下に設定。今年の消費税増税に伴い、6000円以下に変更された)

◆ミシュランガイド 1900年に仏タイヤメーカー「ミシュラン」が発行したレストランガイド。ホテルのガイドもある。各地でさまざまな地域版を発行され、日本では07年11月に初めて東京版が発売された。ミシュラン社員の“覆面調査員”が、一般客として食事をして評価を行うことで知られる。「ミシュラン」は前回の東京五輪が開催された1964年(昭39)に開業した東京モノレールの車両用ゴムタイヤを納入したことから、本格的に日本進出した。