犯行グループは妊婦体験用おなかパッドに金塊を隠して密輸していたという。

千葉県警は3日、金塊約8キロを密輸したとして、消費税法違反などの容疑で、東京都港区の会社社長知久悌士(やすひと)容疑者(38)ら男3人を再逮捕、新たに男1人を逮捕した。知久容疑者らは金塊約20キロを成田空港に密輸したとして11月に逮捕、起訴され、警察が余罪を調べていた。

東京税関成田税関支署によると、知久容疑者らは非課税の香港で地金を買い付けて出国。台湾・台北の空港乗り継ぎエリア内男性トイレで、日本に向かう運び屋に渡していたという。日本国内で売却し、消費税分を利益に稼いでいたとみられる。

同支署は知久容疑者らはバイヤー、運び屋、売人など約90人のグループで、14年ごろから組織的な密輸を始めていたとみている。

運び屋の巧妙な手口も明らかになった。同支署によると、ある男は、妊婦体験用のシリコーン製パッドで肥満体形に変装。パッドと体の間に地金を隠していた。また、20代の女は、重ね着したブラジャーの間に計4キロの地金を隠していた。重ね着したブラジャーの間には、さらにシリコーン製の「ヌーブラ」を入れて、金塊がずり落ちないように“補強”していた。【近藤由美子】