兵庫県たつの市の住宅で住人の田中澄恵さん(74)と次女千尋さん(52)が殺害された事件で、指名手配中の住所、職業不詳大山賢二容疑者(42)が事件発覚3日前の16日、警察官の職務質問を受け「人を殺した」と話していたことが25日、捜査関係者への取材で分かった。話がかみ合わない状態で、県警は事件を把握できず、容疑者の実家があった現場周辺に送り届けた。

翌17日未明、大山容疑者に酷似した不審な男が現場周辺で目撃されていたことも近隣住民への取材で判明。県警は容疑者が現場付近にとどまっていた可能性があるとみている。その後、行方が分からなくなった。

県警は25日、事件現場の隣にあり、容疑者の実家だった建物を殺人容疑で家宅捜索した。現在は空き家とみられる。

捜査関係者によると、16日夜、兵庫県高砂市内の路上で寝ていた大山容疑者を職務質問。高砂署で事情を聴いたものの、話に具体性はなく聴取を打ち切った。

現場近くの住民によると、17日午前4時過ぎ、大山容疑者に人相が酷似した人物が住民の家の玄関先に座り込んでいるのに気付き通報した。不審者はふらついており、「目の焦点が合っていない様子だった」(住人)という。県警が公開したのと同じ服装だった。警察官が到着したころには既に立ち去っていたという。

事件は19日午前、安否確認のため田中さん宅を訪れた警察官が2人の遺体を発見して判明。県警は13日ごろに千尋さんを殺害したとして、殺人容疑で大山容疑者の逮捕状を取り、全国に指名手配した。(共同)