「新世紀エヴァンゲリオン」など「エヴァンゲリオン」シリーズを制作するアニメ制作会社「カラー」は5日、10代女性声優の裸を写真撮影し、触ったとして、警視庁捜査1課に準強制わいせつの疑いで逮捕されたアニメ制作会社「ガイナックス」(東京)の社長、巻智博容疑者(50)の逮捕を受け、20年6月公開予定のアニメ映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の制作及び上映について「今般事件による影響はございません」と発表した。

カラーは公式サイトで「今般、株式会社ガイナックス(代表取締役:巻智博)代表者を被疑者とする刑事事件に関する報道につきまして、『新世紀エヴァンゲリオン』及び『エヴァンゲリオン』シリーズ作品の名称を付した一部報道がされております。『新世紀エヴァンゲリオン』を含めた『エヴァンゲリオン』シリーズ作品に当該被疑者が関与した事実はなく、当社は、当該被疑者と一切関係ございません」と、巻容疑者が「エヴァンゲリオン」シリーズに関与しておらず、カラーとも一切、関係ないと明らかにした。

その上で「また、当社代表取締役、『エヴァンゲリオン』シリーズの原作・総監督等である庵野秀明及び当社取締役、同シリーズで監督・副監督等を務めた鶴巻和哉のいずれも、当該被疑者と一切の面識や関わりはございません」と、「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ原作・総監督の庵野秀明監督や監督、副監督の鶴巻和哉が、巻容疑者と面識がないことも強調。「さらに、当社、庵野秀明及び鶴巻和哉は現在、株式会社ガイナックス及びこれに類する称号を有する法人との間に映像製作上、一切の取引関係を有しておらず、かつ、株式会社ガイナックスは、『新世紀エヴァンゲリオン』を含めた『エヴァンゲリオン』シリーズ作品について、何ら権利を有しておりません」と、ガイナックスが「エヴァンゲリオン」シリーズの権利を一切、持っていないことも指摘した。

カラーは16年12月、ガイナックスに対して貸付金1億円の支払いを求めて東京地方裁判所立川支部に提訴しており「なお、2016年12月にご案内のとおり、当社は、株式会社ガイナックスに対して貸付金の返還を求めており、現在もなお係争中です」と現在も両社は裁判で争っていると説明した。

その上で「上記のとおり、当該被疑者は『新世紀エヴァンゲリオン』及び『エヴァンゲリオン』シリーズ作品と全く無関係であるにも関わらず、今般一部報道において、『新世紀エヴァンゲリオン』及び『エヴァンゲリオン』シリーズ作品に関する言及のあったことは誠に遺憾であり、強く抗議いたします。関係各位におかれましては、今後、同様の報道はお控えください」と、「エヴァンゲリオン」シリーズとガイナックスが関わりがあるような報道を控えるよう、報道各社に訴えた。また「これ以降、同様の事象が継続した場合、当社は、当社及び当社作品に関するブランド価値の毀損、並びに当社作品の制作に従事するクリエイターらの名誉声望に対する侵害として、法的措置を含めた対応について検討させていただくことにつき、予めご案内申し上げます」とした。

そして「なお、最後に、被害者にお見舞い申し上げると共に、1日も早い被害からの回復をお祈り申し上げます」(コメントは全て原文のまま)と巻容疑者の事件の、被害者の回復を願った。