神奈川県小田原市は11日、市が開催する小田原競輪の事業資金930万円を横領、着服したとして、市公営事業部事業課の赤田博樹主任(29)を懲戒免職(10日付)にしたと発表した。すでに全額が返還されているが、市では刑事告訴を検討している。

競輪事業を運営する公営事業部によると、赤田主任は5~10月まで同部事業課執務室で管理している金庫の鍵を使い、車券の発売機や現金払い戻し機にセットする現金を複数回に渡って着服していた。発覚しないように他の職員が少ない早朝発売などの時間帯を狙い、現金を抜き取っていた。

10月18日に行われた会計検査で事業資金の紛失が発覚し、市が神奈川県警小田原署に通報した。その後、赤田主任が着服を名乗り出た。市側の聴取によると同主任は競馬が趣味で「主に馬券の購入に充てた」と話している。

公営事業部は市職員の車券購入を禁止しているが、今回は横領された現金が馬券購入に使用された。公営事業部では再発防止策として「管理システムを強化する」などとしているが6カ月あまりも多額の横領が発覚しなかったことでチェック機能が問われている。【大上悟】