相模原市の知的障がい者施設「津久井やまゆり園」で16年に入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(29)の裁判員裁判の第2回公判が10日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で行われた。

午後1時15分に再開された法廷では、検察側が証拠として、植松被告の出生から犯行までの経歴と、事件当日の動きをまとめた資料を紹介した。また同被告が犯行に使った柳刃包丁、ペティナイフ、菜切り包丁の現物も法廷で公開された。その際、同被告は特に柳刃包丁については視線を送り、ずっと見詰めていた。

そして、植松被告が事件を起こした当時に園内を案内させられ、犯行の様子を見た職員の供述調書が、検察官から読み上げられた。その中で、同職員は、植松被告が各部屋の入居者について「しゃべることが出来るか」と確認し、意思疎通が出来ない障がい者を狙って刺していた様子も克明に語られた。同職員によると、植松被告は上から下に包丁を振り下ろすようなやり方で刺していたという。

供述調書の中で、意思疎通が出来るため被害を受けなかった入居者が、トイレに出てきた様子について職員が供述した内容があった。その際、植松被告は眠そうな顔をして目をつぶった後、眠らないようにしようとしたのか、白手袋をした両手で膝をこするようにした一幕もあった。【村上幸将】